Author Archives: mariaoyama

越年

 師も走るという師走、誰もが限られた時間のなかで、今年最後の仕事を終えようと している。そうしてまた、一年が駆け足で通りすぎる。  日本での仕事を必死の思いで片づけ、ぼくはインドに行く。今の時期、そう暑くは ないが、あの … Continue reading

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叙勲 3

 そうしてみると、人が本当に心惹かれるのは、やはり人間自身の内面や存在の深奥なんだと、あらためて思う。  正直にいえば、今回も出がけに、こんなことをしていて時間がもったいなくはないのかと、チラと自問したのだ。が、伊藤監督 … Continue reading

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叙勲 2

 もっと感激したのは、キャンパスを歩いているときだった。高校の化学の教科書や、大学の物理の専門書の著者たち、ノーベル賞候補といわれる人たちが、キャンパスを普通に行き来している。それを見たとき、そして、そういう人たちの講義 … Continue reading

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叙勲 1

 映画監督の伊藤俊也さんが紫綬褒章を受けられたので、お祝いの席に行ってきた。 『奇跡の人』『誘拐報道』『白蛇抄』『プライド ──運命の瞬間──』など、人間性の哀しみをえぐり出す話題作を次々と世に問われてきた方である。   … Continue reading

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古巣 2

 懐かしさのあまり、キャンパス内にある生協の本屋さんに行った。建物を入って、 階段を昇っていくときの独特の香りや風景が、昔と少しも変わっていない。大学にいたころ、何百回も昇り降りした階段は、今でも目をつぶって昇れそうだっ … Continue reading

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古巣 1

 しばらく……といってもほとんど一年間、エッセーをお休みした。その間に書いたこともあったのだが、中途半端な感じがして掲載しなかった。変化はいつも突然で、驚きに満ち、簡単には書けなかった。  ここ数カ月の間に本格的に再開し … Continue reading

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第八回 〜聖者と天使、そしてローマ(B.Cコース)〜 七日目

 この日朝、Bコースの皆さんは帰路に着く。過ぎてしまえばあっという間の、しかし忘れることのできない巡礼。  たぶん、人生も同じなのだ。われわれの人生が終わるとき、それがあっという間だったことに、誰もが驚くことになるに違い … Continue reading

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第八回 〜聖者と天使、そしてローマ(B.Cコース)〜 六日目

 この日は終日、ローマの教会巡り。普通のツアーでは決して行かない見どころを回った。  イエスを磔にしたといわれる木片と釘が保存されている聖十字架教会(サンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ)。残念なことに、一部が現在修 … Continue reading

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第八回 〜聖者と天使、そしてローマ(B.Cコース)〜 五日目

 「ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は、ご健康状態がすぐれぬため、今年は例年よりも早く避暑地カステル・ガンドルフォに行かれます。従いまして、ヴァチカンでの謁見は中止……」  日本を発つ少し前、そんな報せが届いた。法王のご健康 … Continue reading

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第八回 〜聖者と天使、そしてローマ(B.Cコース)〜 四日目

 四世紀、異教徒との戦いに疲れた司教に、大天使聖ミカエルが現れ、戦いを勝利に導くと告げる。そのとおり、戦いに勝つことのできた司教が、どのようにして天使に感謝しようかと思っていると、天使はふたたび現れ、すでに自分は山の洞窟 … Continue reading

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