越年


 師も走るという師走、誰もが限られた時間のなかで、今年最後の仕事を終えようと している。そうしてまた、一年が駆け足で通りすぎる。
 日本での仕事を必死の思いで片づけ、ぼくはインドに行く。今の時期、そう暑くは ないが、あの国は渇いた、視線の突き刺す、くつろげない国である。ひとたびインド に入ったなら、気を抜けるということがない。そんな国で、年末から一カ月あまりを 過ごす。
 インドに行くときには、常に明確な目的意識がある。そうでなければ、あのような 国に行くことはできない。今回の場合は、来年教え始める予定の瞑想に関係がある。 しかしそれでも、年末年始を日本で過ごせる人が、うらやましく思えてならない。
 いずれにしても、この欄を見に来てくださる皆さんが、よい年を迎えられますよう に。それぞれの家族に安らぎがありますように。ささやかでも、世界に平和が訪れますように。そんなことを願いながら、インドの山奥で年を越す。


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