国連宗教者会議 3


 昨夜は夜遅くまでいろいろな打ち合わせをして、結局、寝たのは夜中の1時だった。が、この日は朝5時に目が醒める。声はどうか……。出そうな気がするが、声は実際にその場で出してみるまで分からない。
 国連ビルに着き、午前のセッションが始まる。何人かのお偉いさんのスピーチの後、まず日本代表団の喜納昌吉さんが「花」を歌い、それからマイクを任された。
 僕はまず、喜納さんが沖縄の、そして僕自身が広島の出身であることを語った。この前の戦争では、父や祖父の世代の1/3とか2/3の人びとが亡くなった。
 宗教であれ、政治であれ、われわれの願いは世界が調和に満たされることだが、それはまず、われわれの心のなかから始める他はない。現象として現われ出た戦争は、個々人の心のなかのささやかな不調和が自然の法則を犯し、その集積された罪科が自然界の包容力を超えたときに起こるものだからだ。
 平和は政治や、政治運動によってもたらされるものではあり得ない。それはまず、われわれの意識のうちに構築される。その結果が「平和」である--。
 ふと気づいてみると、声がよく出ている。はたして、昨日のインディアンの祈りが効いたのか……。


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