旅日記14


7月7日-3
儀式が始まる前、一人の僧侶が近づいてきて言った。
「儀式は世界平和のために捧げられます。
ほかに特別な意向があればおっしゃってください」
世界平和のために捧げられるのであれば、それで十分なはずなのに、
私は思わずこう言っていた。
「はい、でも特に原油価格が下がるよう、神々にお願いしたいと思います」
そして、参加者の皆さんには、
それぞれの願いを心に思い描くようにと申し上げた。
僧侶はしばらく私のほうをまじまじと見ていた。
やはりまずかったのかもしれない。
神聖な儀式でそのような現世的なことをお願いするなどとは、
たとえわれわれがお金を出して行なうとはいえ、いけなかったか……。
そう思って後悔していたら、僧侶は言った。
「私は、あなたを心から誇りに思います」
僧侶

僧侶たちは、南インド独特の髪形をしている
ところで、この寺院では男性は上半身裸にならないと儀式に与れないので、
私たちもその伝統に従ったことを昨日書いた。
添乗員のOさんもまた、例外ではなかったが、
彼がその際にもらした一言をここにご紹介するのも、
まったく意味のないことではないだろう。
O添乗員はこう言った……


「わたし、仕事では脱がないのに……」


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