ゴジラ2


 ゴジラの余韻が去らない。
 かつて殺したはずの大怪獣が生きていて、なぜか最初にやられるのはアメリカの原潜。さらに、怪獣の正体が実は太古の文献に書かれていたというのも昨今のパターン通り。ただ、ちょっと違ったのは、善玉になって久しい(と思っていた)ゴジラが、いつの間にか大悪役に戻っていたことくらいか。
 客の入りも、ガラガラと言っていい。ところが、映画が終わっても席を立とうとする人がいない。もちろん、僕も例外ではない。思わず「衝撃の」と言いたくなるラストシーンの余韻を楽しんでいるのだ。
 結局、タイトルロールが流れ終わるまで、誰も席を立たなかった。そうして館内が明るくなって、初めてその理由が分かった。
 子供向けのこの映画、客のほとんどが男性、しかもオジサンたちなのだ。かつて、『ゴジラ』や『ガメラ』を見て胸踊らせた世代。彼らは多分、この不安の時代にあって、たった二時間でもかつての夢に浸ろうと、1600円払って映画館に来た。そして、われわれもまたその例外ではなかったのだ。


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