癒し 10


かつて西洋社会に広くヨーガを伝えたことで知られるパラマハンサ・ヨガナンダは、1935年、インドへの帰国の途中、一人の女性に出会った。
彼女テレーゼ・ノイマンは、二十歳のとき、ふとした事故が原因で全身不随となり、失明した。数年後、「幼きイエズスの聖テレジア」への祈りにより奇跡的な回復をとげたが、以来、彼女は二つの現象の体現者となる。すなわち、超自然的絶食と聖痕である。
複数の医師と関係者の記録によれば、彼女は1927年から亡くなるまでの35年間を、絶飲・絶食の状態で過ごしている。
また、毎週木曜の深夜から金曜にかけて、キリストの受難を幻視し、体験した。すなわち、寝台に横たわり、恍惚状態に陥った彼女は、身体の数か所からおびただしい量の出血をみる。
茨の冠、両手、両足の釘の痕、槍に貫かれた脇腹……。こうして金曜日を迎えるごとに、彼女は5キロほども体重を減らした。
ちなみにヨガナンダ自身は、自ら法悦状態に入り、テレーゼ・ノイマンと共にキリストの受難を目撃したと書き残している。
瞑想講座でしばしば申し上げているように、瞑想中、われわれの体にピリピリ電気が走ったような感覚があったり熱をもったりすることがあるのは、このような神聖な変化が体に起きてくる“準備”のようなものと考えたらよい。


カテゴリー: キリスト教 パーマリンク

コメントを残す