鬼才2


東大に入ると、体育の授業の最初で、体力測定がある。
それは通常の体育館ではない、
「トレーニング体育館」という変わった名前の体育館で行なわれる。
実はそこが、かつて松平康隆らがクイックや時間差攻撃、
一人時間差や移動攻撃などを開発した場所であることを、
体育の教官たちは誇らしげに語る。
当時、そのあまりの練習の激しさに、
選手たちのトレーニングウェアは血染めになったといわれる。
そうして小柄で、非力な日本人が、世界の強豪を撃破していくこととなる。
まさに、それは通常の才能ではない、非常識な何かのなせるわざだったのだろう。
ミュンヘン五輪に先立つ『ミュンヘンへの道』も、
実は松平氏がスポンサーを探し、テレビ局に売り込んだ企画だ。
アニメと実写の両方を駆使して選手を紹介、
若い女性たちのハートをつかむとともに、
五輪までの日数をカウントダウンして、国民的人気を博した。
当時、この番組に熱狂した視聴者の一人が……


イスカーナヤマトさんだ。
同じ広島にいて、イスカーナさんはこの番組を食い入るように見つめ、
私はその同じ時間、勉強していた。
寮で決められた勉強時間が7時半からだったからだ。
なので、これを直接見ることはなかったが、
しかしこのなかから生まれた、世界一のセッター・猫田、世界の大砲・大古と横田、
ドライブサーブとフジヤマブロックの森田などの記憶は、
私も忘れることができない。


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