Author Archives: mariaoyama

武士道 3

 会場となった国立代々木体育館に着いた午後二時には、すでに予選が終わり、残る選手の数は絞られてきていた。なかでも、ひときわ目をひいたのが、前回3位、前々回2位の大西健太郎(24歳)と、前二回を共に優勝している松本勇三(3 … Continue reading

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武士道 4

 決勝は、天才的な技のキレを見せる松本に対し、大西が驚異的な気迫で押した。しかし速射砲のように繰り出す大西の突きも蹴りも、すべて松本は見切り、試合は互角のまま延長に。延長でも甲乙つけ難く、再延長、そうして再々延長にもつれ … Continue reading

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武士道 5

 一時間後、会場は国立体育館から京王プラザに移されていた。すべての日程を終えた打ち上げパーティー。そのなごやかな席で、私の心は、いまだ決勝で下された判定にあった。  負けた大西に挙げた副審をつかまえ、失礼を顧みず、私は聞 … Continue reading

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武士道 6

 これに対し、最終的な判定を下した長谷川師範は言った。 「どちらが勝ったと言っても、誰も文句の言えない試合でした」  師範は、静かにそう言った。 「では、どうやって判定なさったのですか?」 「松本は王者であり、大西は挑戦 … Continue reading

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幸福 1

 三日間の瞑想講座・第一期生が終了した。参加された全員の方が、先週から一週間、毎日の瞑想をそれぞれに楽しんできてくださった。そしてその多くの方が、それぞれに深い瞑想を体験された様子だった。  キリスト教徒ではないが、日頃 … Continue reading

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幸福 2

 かつて、ガンジスの女神の息子であった聖者ビーシュマは、父である王の願いをかなえるため、自らの王位継承権を放棄した。このとき、これを聞いた神々が驚き、天界から花びらを降らせたと『マハーバーラタ』は伝えている。  かねてよ … Continue reading

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幸福 3

 しかし、瞑想において大事なことは、そうした特別な体験をすることではないこともまた、講座の間に何度も申し上げた。そして、第一期の皆さんは、そのことをよく理解しておられる。  神秘的な体験は、意識が拡大していく途上で、自然 … Continue reading

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星宿

 松井稼頭央。イチローの巧さと、ゴジラ松井のダイナミズムを兼ね備えた逸材と讃えられ、今年華々しく米大リーグ・メッツ入りした。年俸7億円強も、イチロー、松井秀喜の活躍がなければあり得なかった。  ところが、好事魔多し。オー … Continue reading

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サムライ 1

 真田広之さんのことを、長い間、ぼくは身体能力系の俳優さんだと思っていた。ところが、NHK大河ドラマ『太平記』の、特に最後の数回、足利尊氏役できわめて重厚な演技を見せられ、ひどく印象づけられたのを覚えている。その後、ある … Continue reading

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サムライ 2

 日本で封切られたのは、昨年の十二月だったか……早く見たいと思いながら、ついに果たせず、ぼくは日本を発った。インドでは、多くの時間を山のなかで瞑想して過ごしたが、インド第四の都市・チェンナイに出たとき、大きな看板を見た。 … Continue reading

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