腕輪7


かねてより、
『おまえの仕事について、特別に書かれた予言が出てくる』
と予言されていたことは、いつも頭のどこかにあった。
それは例外的に、誰が書いたものか書かれておらず、
いつ頃出てくるかについても言及がなく、ときが過ぎていった。
秋口になって、それは唐突に出てきたのであるが、
10月22日、結果的に会社の設立されるちょうど一カ月前のことだった。
聖者カードゥヴェリによるその予言には、こう記されていた。
『新しい事務所でナーディ(予言)のプージャ(儀式)を行ないなさい
 その場所を輝けるものとするように……』
ちょうど、
【アガスティアの葉】を読んで儀式を捧げなければならない方が数人いたので、
聖者カードゥヴェリに言われるまま、
11月23日のサイババ誕生日にそれは行なわれた。
スタッフが手弁当で参加してくれて、
予言の葉の儀式に与らなければならなかった数名の方が、
花・果物・お菓子その他のお供えものを持参してくれた。
経済的に、広い場所を借りられようはずもなく、
新しい事務所は大変手狭なので……


その皆さん以外の方をお招きすることができなかったのが悔やまれる。
(会社を設立するまで、あの腕輪が私を見守ってくれた。
 そうして今、私から離れていったのだ……)
(しかしそれでも、許されるなら、もう一度だけ私の許にもどってほしい……)
儀式の間、矛盾する祈りが、私のなかで交錯した。


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