儀式三昧 4


3日目-2
アイヤッパ神に捧げる儀式と神の讃歌
その昔、神々が阿修羅との長い戦いの末、とうとう打ち負かされそうになったとき、
ヴィシュヌ神は考えました。
『この世のあらゆるよいものを集めて混ぜ合わせ、不死の霊薬、甘露を作ろう……』
そうしてできた甘露は、ソーマ、不老不死の霊薬とされるものです。
物語『西遊記』のなかでも、
一滴飲めば不死となるこの霊薬を孫悟空が壺いっぱい飲む話が紹介されていますが、
このソーマは、
実は瞑想中に私たちの内側で盛んに産生される精妙な物質に他なりません。
さて、苦労の末に甘露ができた途端、魔神たちがこれを横取りしようとしたので、
ヴィシュヌ神は自ら美女に姿を変えて阿修羅を幻惑、
その間に神々が甘露を呑めるようにしました。
おかげで神々は不死の体を得ることとなりましたが、
その際、一つの事件がおきました。
ヴィシュヌ神が姿を変えた女性はあまりの美しさだったため、
シヴァ神が恋に落ちたのです。
こうしてできた子が「アイヤッパ神」です。
ともに至高神で、実在そのものであるヴィシュヌとシヴァの間にできた子は、
全知全能にして、
「神の子」イエスと同様、人びとの救いを担います。
毎年、1月14日(または15日)、マカラサンクランティの祝日には、
アイヤッパ神の祀られる聖サバリ山の頂上に鷲が舞い、
神秘の炎が灯ります。
これに巡礼する人は、地域を代表し、
人びとのための多数のコインを頭上に載せたまま、裸足で山を登りますが……


私は、瞑想を教えた皆さんのためのコインを頭に載せて巡礼します。
それに先立ち、村人たちは盛大な儀式を行ない、
神の讃歌を歌ってこの出立を寿いでくれますので、
これにご一緒に参列いたしましょう。
サバリ

カンニャ・スワミ(初巡礼者)となるための儀式
サバリ

花輪で彩られたアイヤッパ神の祭壇
階段下のりんごは日本から持参したもの

サバリ5

夜を徹して神を称える
サバリ1

コインは決して降ろしません
サバリ3

夜中の2時を過ぎても押し寄せる巡礼者


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