ジンクス


真実は見た目と必ずしも一致しないことがある、という話題を、
オリンピック史上の事故にからめてとりあげた。
デッカーとバッドは、よほど因縁浅からぬ仲であるに違いないが、
世の中にはジンクスというものもある。
辞書をひくと、因縁のように思うこと。縁起。と書かれている。
たとえば、風呂に右足から入ると翌日、よくないことが起きる……
というような個人的ジンクスも多いだろうが、
一般的なジンクスを通説ということもあるかもしれない。
たとえば、野球の世界では、
「チャンスの後にピンチあり」
「無死満塁は点が入らない」
「ラッキー7(7回は点が入りやすい)」……
こうしたジンクスに根拠があるのかどうかを、
統計的に調べた大学の先生がいて、今日の新聞に載るようだ。
それによれば……
「チャンスの(チャンスを逃した)後にピンチあり」
チャンスを逃せば、チームに多少なりとも精神的ダメージが残る。
いわゆる「試合の流れ」が相手側に行くともいう。
したがって、そのあとにピンチが来る確率が高くてもおかしくない。しかし、
走者が二塁以上に進んだチャンスがあったのに得点できなかった場合、
そのチームが直後に失点する確率は26.4%(平均失点0.492点)で、
全体の平均(26.4%、0.495点)と差がない。
「大量得点の次の試合は打てない」。
大量得点をした後、チームの気分は緩みがちだ。
打者も、自然と大振り・粗削りになる。
したがって、次の試合は意外と打てないといわれる。が、
全試合のうち、10点以上の大量点があった145試合のうち、
そのチームは次の試合でも平均4.87点を取っていて、
一試合平均4.43点を上回っている。
「無死満塁は点が入りにくい」
満塁だとフォース・プレー(タッチしないでも走者をアウトにできること)
が可能となるので、意外と攻めにくいといわれる。
しかし、無死満塁の場合の得点確率は84.5%、平均得点は2.399点で、
無死2、3塁等、すべての他の状況よりも多かった。
「ラッキー・セブン」
試合終了まであと3回。この辺りが守る側、
特に投手にとって最も苦しい回数だといわれる。
応援も、花火を打ち上げたりジェット風船を飛ばすなどしてはやし立てる。
しかし、実際に得点が入る確率は26.2%(平均得点0.481点)。
1〜12回裏の平均(26.9%、0.506点)以下である。
むしろ6回裏(30.7%、0.662点)の方が高い。
これらは、05年の全公式戦846試合のデータを統計処理したという。
もし、06年の統計をとったら違った結果が出た、となると面白いが、
そうはならないだろう。
ところで、ことの真相はいつか明るみに出るというはむたろうさん……


「真実に見える迷信」も「迷信に見える真実」も、
世の中にたくさんありそうなので、
それらがともに明らかになっていくといいですね。
それから、メアリー・デッカーとゾーラ・バッドについて、
今生のどこかで穏やかな再会があったりするといいな、と思う
心優しいルンさん、実はあの試合の後、
バッドがデッカーに謝りに行ったということをご存じでしょうか。
デッカーはバッドに対し、
「Don’t mind(気にしないで)」と言ったそうです。
それがどのような言い方だったか、私たちには想像するすべもありません。
心から許した言葉でも、もちろんなかったでしょう。
しかし少なくとも言葉の上だけでも、そのように言ったということが、
重要だったのではないかと思います。


カテゴリー: スポーツ パーマリンク

コメントを残す