巡礼22


最終日を皆さんに楽しんでいただくため、決死の覚悟で構想を練った結果、
方向音痴の私が、
希望される皆さんをなんとかして愛徳姉妹会へお連れすることになった。
聖女カトリーヌ・ラブレーの腐敗しなかったご遺体は、そこにある。
もともと、前回の行程で、何人かの方は、
愛徳姉妹会に行けないのですかと問い合わせておられたという。
もしかしたら旅行が延期になった時点で、
その皆さんは、なんとか愛徳姉妹会に行けるようにと祈られたのか……。
当然、無数の奇跡を起こしてきたメダイを購入する時間もとりたいと思っている。
愛徳姉妹会のすぐ近くには、
かつて日本で迫害の歴史に耐えたパリ・ミッション会の残した展示物や、
ラザリスト会の聖ヴァンサン・ド・ポールのご遺体もある。
こちらを訪れる人はほとんどいないが、
実に、聖ヴァンサン・ド・ポールがいなければ……


「神の愛の宣教者会」のような修道会をマザー・テレサが創始することも、
その会に入る女性たちがひっきりなしに現れることも、
そうして何万人もの人びとが救われることもなかったであろう。
彼こそは、世界の教会史上初めて、
女子の実践修道会を創始した聖者なのであった。
希望者は、ここから近くの庶民的なデパート、ボン・マルシェに流れて、
クリスマス前の買い物を楽しまれるのもよさそうだ。


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