ダルマ5


橋下徹さんのあまりの豹変ぶりに驚き、つい政治家ネタで何本か書いてみたが、
非常に危険な状態であることは承知している。
人にはそれぞれに自分ではどうすることもできない好き嫌いの感情があるものだが、
まして政治家の場合は利害がからむ。
自分にとって不利益な政策を実行しようとしている政治家を好きだと書かれれば、
その書いている相手まで嫌いになってもおかしくはない。
なので、今までならこの政治家を評価している、などということは
注意深く書かなかったかもしれないが、私ももうこの歳である。
少しくらい気に入らないことを書いたとしても、勘弁していただけたらと思っている。

近年、これはと思った政治家は、小泉純一郎であった。
かつて田中派の金権批判を展開していたころの小泉からはまだ青臭さが消えておらず、
あれほどの業績を残す政治家になるとは想像がつかなかったが、
なんといってもこの人は、打算がないのがいい。
もちろん人間である以上、さまざまな欲求や欲望は誰もが抱えているはずだが、
この人が持論を展開するとき、私には、それほど私心が感じられない。
文字通りの捨て身で2001年の総裁選に勝ち、紆余曲折を経ながらも、
郵政民営化という一大事業を完遂した。 

それとてももちろん、いまだに批判しようと思えばいかようもにできるだろう。
しかし、かつて国鉄が民営化されたとき……

ときの為政者がどれほどの非難・批判にさらされたかを思い出してみたらよい。
消費税導入のときもそうである。
もし、国鉄が民営化されていなければ、今ごろどんなことになっていたか。
消費税が導入されていなくても同様である。
これらは、どんなに国民に不人気でも、
マスメディアに誹謗・中傷されても、
本当にしなければならない政策は実行するという、
政権を担う者としての矜持であったろうと私は思う。


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ダルマ5 への1件のフィードバック

  1. SHO のコメント:

    小泉元首相の業績については評価がわかれるかもしれませんね。小泉政権下で民営化の対象となった郵政公社は旧国鉄と違い黒字でした。しかも郵政公社は独立採算制で税金は一切使われていませんでしたから、「民営化によって郵政公社の公務員削減ができ、財政再建につながる」という小泉政権の主張には説得力がありませんでした。
    当時から、構造改革は米国からの年次改革要望書に沿った改革で、郵政民営化の目的は郵貯簡保の潤沢な資本を海外のハゲタカファンドに差し出すことだと言われていました。真偽のほどは定かではありませんが、その後の流れをみる限り、強ち否定できないかもしれません。
    この他、小泉政権が行った様々な規制緩和によって市場の自由化は進みましたが、これは一方では市場のジャングル化、弱肉強食化(米国化)を促し、多くのワーキングプアを生む素地をつくったという見方があります。そして数字の上でも、財政再建を目指したはずの構造改革の結果、小泉政権下で財政赤字はよりいっそう進むという皮肉な結果をもたらしました。
    とはいえ、政界引退後の小泉元首相は脱原発の必要性を主張しており、今後の活躍が期待される(?)ところです。

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