運気 8


HERO’Sライト・ヘビー級は、1Rが10分、2Rが5分、判定が引き分けの場合はさらに5分を戦う。
ボクシングスタイルで1R3分を戦うだけでもヘトヘトになるのに、総合で10分を続けて戦うにはとてつもないスタミナが要求される。
最初の10分を終わって、明らかに大山君が優勢だった。が、決定打が奪えない。もし、一瞬で関節を決められれば、もはや逃れる術はない。
第2ラウンドに入っても、やはり攻防は一進一退だった。打撃でもグラウンドでも、両者とも決定的な態勢になれない。
このまま判定になれば、大山君の勝利は間違いない。このまま逃げきって欲しい。
そのとき、グレイシーのローキックが大山君のボディーを捉えた。グレイシー柔術においては、打撃もあなどれない。
大山君は、ひるまずタックルに行こうとした。その次の瞬間、グレイシーの右手が首に絡みついていた。
首を決められた……!
そのとき、私の心臓が止まった。


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