「アガスティアの葉」文庫化


『アガスティアの葉』の文庫化のための作業が終わった。
 親本が出たのは94年であるから、もう7年前になる。その後、思わぬことで成就した(してしまった)予言の数々について思えば、内容そのものについては、今さらながら驚くほかない。しかし、7年ぶりに読み返してみると、文章のつたない表現のほうにもっと驚く。
 ダラムサラで出会った女性(エリーナ)との別れのシーンなどを読み返しながら、(こ、こんなことをまともに書いちゃったのか……)
 と私は思った。それに対し、編集長は自信満々で言った。
「作家の先生は、皆さんそうなのです。昔、自分が書いたものを見て愕然とし、そこから不死鳥のように蘇ってくるのです」
 何が不死鳥だ……。そう思う私の表情を彼はちらとうかがうと、こう続けた。
「でも、人って、本人が思ってるほどには気にしてないですからね」
 そうして、いかにも愉快そうな笑みを浮かべたのだった。
(株)ライトフィールドより:
 文庫版『アガスティアの葉』(幻冬舎)は、最終章-新たな展開と考察-が付け加えられ、8月5日に出版されます。


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