岐路


終戦記念日。日本が始めた、太平洋地域における未曽有の大戦争は、六〇年前の今日、終わった。この戦争のために、わが国を始め、アメリカを含む多くの近隣諸国の人びとが塗炭の苦しみを舐め、死んでいった。
戦争を振り返るとき、必ず、いくつか日本がとり得たであろう岐路が語られる。
もしも開戦前、日米交渉を妥結させることができていたら……もしもシンガポールが落ちた段階で講和に臨んでいたら……もしも日本の暗号が解読されず、ミッドウェイ海戦に勝っていたら……もしもポツダム宣言を即、受諾していたら……。
ポツダム宣言を即、受諾しただけでも、広島・長崎の惨劇がなかったであろうことは繰り返し語られる。それができなかった最大の理由は、果して国体が、すなわち天皇制が護持されるのかどうかという逡巡があったとされる。
いずれにしても、それぞれの岐路で、日本は選択を誤った。そうしてやっと最後に、無条件で降伏するという、その時点においての正しい選択をした。


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