腕輪9


美しい紫色のランの花束のなかに、
花に絡まれるようにして腕輪があった。
それは、いつか本で見た、サイババの腕輪のようだとその方は言われた。
表にはサンスクリット語でOhm、
内側にはアルファベット表記でOHM SAI RAM、
その他、特徴をうかがえば、たしかにあの腕輪に違いないことが分かる。
だが問題は、それが入っていた花束だ。
それはたしかに、当日の朝、
儀式にあずかる方の一人がお持ちくださったものだった。
果して、そんなことがあるのか……。
いったいいつ、どうやってそれは現れたのか。
さまざまな場所に電話し、一緒に探しにも行ってくれたスタッフは、
実はこれを秘かに隠し持っていて、
儀式のとき、誰にも気づかれないようにそっと花束のなかに入れたのか。
だが、そのうちの一人にさりげなく打診してみたが、
彼女はただ当惑して笑い出すばかりだった。
目の前でさまざまなものを物質化するサイババが、
遠く離れた場所に何かを物質化しても、
それは決して不合理とはいえない。
実際、世界中にあるサイババの写真から金やヴィブーティ、蜜が出ている。
現実に今、私の手許に戻ってきた腕輪に触れてみれば、
それは硬く、重みのある、金属独特の感触がある。
全身で感じることのできるその物質的な感覚が、
逆にことの神秘性を教えてくれる。
そう考えれば、私たちが今こうして肉体をもって息づいていること自体が、
さらにかけがえのない奇跡のように私には思えてくるのであるが、
それは今、夜を徹して一睡もしないでいるからだろうか……。
ところで……


ここ数日の間に皆さまから寄せられた『神々への手紙』は約70通にも達しました。
10日夜に届いた分までのすべてを回収し、
祭壇で特別な儀式を捧げた後に今、手荷物の方に入れました。
このお手紙は、12月15日、大ホーマが完結する直前に、
炎のなかに入れられ、神々に捧げられます。
インド時間で概ね14時から15時、
日本時間では概ね17時半から18時半頃の予定です。


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