奇跡3


「キンシャサの奇跡」は、
ジョージ・フォアマンにとってはプロ41戦目での初黒星となり、
これがよほどの衝撃となったのだろう、
結局、彼は28歳の若さで引退する。
後に選んだ職業は……なんと「牧師」であった。
だが、「ジョージ・フォアマン」の類まれな天才を示す事件は、
さらに十数年後に訪れた。
1987年、彼は突如として現役に復帰する。
理由は、青少年の更生施設の建設費用捻出のためだった。
それだけで世界王者よりも意義深いと思ってしまうが、
世界中から「年寄りの冷や水」と冷笑された。
ところが、並みの天才ではなかった彼は、
94年11月、WBA・IBF統一世界ヘビー級王座に挑戦し、
なんとこれをKOで奪取する。
「キンシャサの奇跡」から実に20年、
45歳10カ月はもちろん、階級を問わず、史上最年長世界王者であった。
この後、48歳10カ月で敗れるまで現役を続けた彼は、
まさに「不世出」の名に値する。
ちなみにこの時期、日本のアントニオ猪木は……


フォアマンとの「格闘技世界一決定戦」をさかんに模索したものの、
結局それが実現することはなかった。


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