旅日記16


4月13日(三日目)-5
ダルシャンホールに入るまでの間、われわれは汗をかきながら、
じっと列に並び続けなければならない。
そうして時間になると、くじ引きがある。
列の最初の人がくじを引き、その順番に中に入ることができる。
そうしないと、敬虔な帰依者の皆さんは、前の晩から来て並んだり、
席取りをすることになってしまうのである。
どの列に並んだらいいかは、当然のことながらまったく分からない。
今回は、服装や持ち物などについていろいろやっていてやや遅れたので、
セヴァダル(ボランティアの皆さん)が、
ここに並べとばかりに指定してきたその場所に素直に並んだ。
すると、その列の先頭の人が、一番くじを引いてくれた。
前から並んでいる皆さんに申し訳ないと思いながら立ち上がり、
ダルシャンホールに向かうと、すぐ脇を並んで歩いてくる何人かのインド人がいる。
スキを見て列に割り込もうとする人であろうと思ったが、
やはりその通りであった。
インド人に対して同じことをすれば、場所柄もわきまえず騒ぎ出すかもしれない。
欧米人は総じて、原理原則にうるさい。
なので、何も言いそうにない東洋人のところを狙うのかもしれない。
私個人はそれで特に不利益を被るわけではないし、
折角の瞑想的な雰囲気を壊したくないので、
やはり何も言わないのが普通なのかもしれない。
だからこの人たちは、いつも同じことをしているのだろう。
しかしそれでは、真面目に何時間も並んだ人たちに対して悪いと思ったし、
要するになめられていることになるので、私は「これはまずいですよ」と言った。
それでも、相手は無言のまま割り込みを続けたので……


「いつもこうしてるんですか?」
とも聞いてみた。が、男は依然、無視。
相手が騒ぎを起こしそうかどうかなど、見れば分かるのだろう。
そうこうしている間に、ボディーチェックの場所に来てしまったので、
それどころではなくなってしまった。
実際、サイババにお目にかかろうというホールの前で、
騒ぎなど起こせない。
結局は男の思うツボなのだ。
日本人なら普通、こんなことはできない。
敬虔なインド人は、とてつもなく敬虔なのに……。
やはり恐るべし、インド人。
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プッタパルティのサイ病院


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