旅日記19


12/ 5(7日目)その2
修道院には、もう少しだけ長くいたかった。
何日も、あるいは一生いたいと思われたか方もいたかもしれない。
しかしこの日、われわれはパリまで戻らなければならない。
15世紀初頭、
イギリス、フランスの間で戦われた100年戦争の末期、
イギリス軍によって包囲されていたオルレアンを解放し、
シャルル7世を戴冠させるようにとの「天の声」を聞いた一人の少女が、
諸将を率いて進軍を開始した。
十代の後半で、普通の農民の生活をしていた彼女は果敢に戦い、
ついにオルレアンを解放、フランス軍に勝利をもたらした。
シャルル7世をフランス王の位につけ、
世界の歴史を変えた少女ジャンヌ・ダルクはまた、
「オルレアンの乙女」とも呼ばれる。
かつて巡礼したリジューの聖テレジアも、
彼女を心のなかで深く慕い、自らのヒロインとして崇敬している。
この日巡礼したオルレアンの大聖堂には、
今はフランスの守護聖女と慕われるジャンヌを描いたステンドグラスが美しかった。
旅をふり返って……


かつて宗教裁判で彼女は異端とされ、
火あぶりの刑に処せられましたが、
現在は聖女です。
最近、日本の社会で、痴漢にでっち上げられたものの、
女性の側が狂言であったと告白し、釈放された男性がおられましたが、
ああいう方が一人出る陰には、
冤罪のまま、どうすることもできず泣き寝入りした方が無数におられるはずです。
同様に、一人のジャンヌ・ダルクが出た陰には、
魔女・異端などとして火あぶりにされたままの無数の善男善女がいるはずで、
その人びとのためにも祈ってきました。
080321-1

ジャンヌ・ダルクの姿を描いたステンドグラス1
080321-2

ジャンヌ・ダルクの姿を描いたステンドグラス2


カテゴリー: 大いなる生命とこころの旅 パーマリンク

コメントを残す