旅日記13


12/ 4(6日目)その1
1786年、リヨンの北のある寒村に、一人の少年が生まれた。
記憶力も理解力も乏しかった少年は、
勉強という勉強がまったくできず、愚鈍といわれた。
それでも敬虔であった彼は、司祭になろうと志し、
しかし神学生になっても落第を続けた。
彼が司祭になれたのは、折からの深刻な司祭不足による。
それが、奇跡の始まりだった。
彼は司祭館にあった余分な家具をすべて処分して貧しい人びとに施し、
清貧そのものの生活を始めた。
人の心をいつも正確に見抜いたので、
多くの人びとが罪の告白にやってくるようになった。
彼に触れることで難病が治り、足なえは立って歩き始めた。
彼が聖母マリアと語り合っているところを見てしまう人が現れた。
孤児たちに無料で教育を施し、
しかしついに食糧が底をついたとき、彼は数時間、祈りに没頭する。
そうして人びとが行ってみると、貯蔵庫は小麦で一杯になっていた。
旅をふり返って……


この、奇跡の聖者ヴィアンネの聖地・アルスに、
いつか行ってみたいと思っていた私の長年の願いは、
この日、実現することとなりました。
080228-1

アルスの聖司祭ヴィアンネ


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