進化論 1


 先日、あるフィリピン人と話していて、たまたま進化論の話になった。彼女は敬虔なカトリックである。
「実は、進化論を信じていない人を知ってましてね」
 僕がそう言うと、彼女はへえという顔をした。
「彼は日本では有名なミュージシャンなんですが、進化論は迷信だと言うんですよ」
 ひとしきり僕に話させた後で、このカトリック教徒が口を開いた。
「ということは、あなたは進化論を信じてるの?」
 進化論自体も進化していて、ダーウィンの説にはさまざまな修正が加えられている。そうした細かいことを無視すれば、僕は進化論を信じている。つまり基本的に、人間はサルから進化したと僕は思っている。
 ところが、彼女にとってそれは許せない説だったようだ。
「人間がサルから進化したと、本当にあなたは信じてるんですか!?」
 と、彼女は言った。聖書に書かれているとおり、神は塵から最初の人・アダムをお造りになった。そうしてアダムの肋骨から、最初の女・イブを造られたというのだ。
 アメリカの大学を卒業しているこの女性の言葉に、僕は唖然とする他なかった。


カテゴリー: キリスト教 パーマリンク

コメントを残す