御神酒2


インドの帝王家の系図には、ブラフマー神の息子アトリに続く、
ソーマという名の父祖がいる。
今年最初の<木曜くらぶ>ではこのソーマについて解説した。
また、明後日(8日)にお話しする神話のなかには、
なぜ人類がお酒に溺れることになったか、
そうしてなぜ人の進化を遅らせることになったかについて、
聖者や神々が語る部分がある。
ところで、この「ソーマ」には実はもっと深い意味があって……


それは、外側からとる御神酒というだけでなく、
内側で産生される御神酒をいう。
たとえば、自然界には麻薬が存在して、
どうにも制御しようのない苦痛を和らげることを可能にしてくれている。
ところが、近年になって分かってきたのは、
われわれの体内でも「麻薬」が生産されるということである。
母親が、燃えさかる家にわが子を救うべく入っていくときや、
聖者がガンの末期にありながら、
したがって激しい疼痛にさいなまれているはずなのに恍惚として神を賛美するとき、
そのような麻薬が脳内で造られ、痛みや熱さを和らげてくれている。
面白いことに、そうした「脳内麻薬」は、外界にある麻薬より何十倍も強力で、
しかも習慣性がない。
まさに人体こそは小宇宙といえる。


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