祈り


世界中のどの聖地に行っても、
読者の皆さんや、特に瞑想をお教えした皆さんの幸福を願う。
肉体をもち、物質の世界に生きているわれわれは、
たとえばサンティアゴの聖ヤコブや、ファティマの聖母マリア、
秋田の聖母やインドのサイババといった
具体的な礼拝の対象があるほうが祈りやすい。
いつの日か、そのような相対的な姿を経ることなく、
われわれが“絶対”や“実在”を直接認知するときが来るに違いないが、
そのときまで、賛美や感謝、礼拝を捧げやすいように、
神々は化身してくることであろう。
私が儀式や巡礼がどうしても好きなのには、
そんな理由もある。
一年のこの時期、
読者や、瞑想をお教えした皆さんからは……


「先生のためにも祈ります」という有り難いお便りをいただく。
完全になったときは別として、
そうなるまでのしばしの期間、
われわれは実際、互いの祈りによって癒され、強められる。
作家になって13年、
私も、そういった皆さんの祈りなくしてやって来ることはできなかった。
今もそうであり、
これから先も当分はそうであるに違いない。
そうした祈りのなかでも最も深く、強力なものが瞑想であるが、
祈ってくださる皆さんに私からの祈りもまた届くよう、
私も日々祈り、瞑想を続ける。
事務局より:
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