第五回 〜トゥルーズ・ルルド・パリ・ヌヴェール〜 七日目


 エール・フランスは夜便がとれたので、出発まで一日自由行動。それぞれにプランを練った皆さんは、朝食後、あっという間にいなくなる。そうして夜8時、その日の体験をそれぞれに持ち寄り、話に花が咲いた。
 ヌヴェールに残った四人も無事合流。「おや、お帰りで?」「そう、(修道院入りは)駄目だったのよ」などと言って大笑いした。
 ちなみに、現在書いている小説は前半はドイツが舞台となるため、私はドイツに行かねばならない。パリの空港に着くと、楽しかった一週間が思い出されて、淋しさが胸に迫ってきた。
 思い返せば、旅行があと三週間に迫った頃、「出発の日が来なければいいのに」と書いて来られた人がいた。「楽しい旅って、あっという間ですから」と。
 旅の四日目になって、この方は、「ほら、私の言ったとおりになってきたでしょ。先生、責任取ってよ」と言って笑ったが、なるほど、旅の終わりは必ずやってくるものだ。
 そして、人生の終わりもまた、同じように速やかにやって来るだろう。そのときに、悔いを残さないようにしたい。巡礼の旅は、そのための予行演習のようにも思える。濃縮された、神聖な予行演習のように見える。
 その旅をこんなにも楽しく、充実したものにしてくれた皆様に、心から感謝するほかはない。
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モンマルトルの丘にて
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パリ・大観覧車より
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添乗員は、お馴染み下江さん


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