第十二回 〜秋田の聖母マリア〜 三日目


奥入瀬渓流から青森市内へ向うバス道は、通称ゴールドラインと呼ばれる。
バスの背よりもはるかに高く両脇に迫る雪壁のなかの旅を楽しめる……はずだったのに、前日の情報では、大雪のため通行止めだという。
ところが、この日になって、通行止めは解除となり、バスは雪の壁のなかへ吸い込まれていった。
朝、添乗員のシモエさんが言った。
「本日こそは晴れだそうです。気象台にも確かめましたっ!」
前日、「ハ〜〜レルヤッ! ハ〜〜レルヤッ!!」の歌声をマイクで絶叫したのが効いたとばかりの言いように、バスのなかは笑いの坩堝と化す。
ところが、空はなかなか晴れてこない。それどころか雪や雹が降って、ますます美しい景色を楽しめることになった。
奥入瀬渓流をもう一度見、十和田湖に別れを告げて、途中休憩に寄った河原は、小川のほとりの一面の銀世界。そこでふたたび、雪合戦となった。
実は今回の旅行には二人のお子さまが参加されていて、私はことある度、雪合戦の挑戦状を叩きつけられていたのだ。この河原が最後の戦場とばかりに始まると、ついには他の皆さんも入り乱れ、一大合戦に。さんざんに打ち負かされた私は、ほうほうの体でバスに戻った。
旅の最後は、日本最大級の縄文集落跡である三内丸山遺跡。なんと、5500年前から人が住んでいた集落だという。現在、毎月解説している『バガヴァッド・ギーター』が語られたのが仮に5000年前だとしたら、それよりも古い。当時の自然環境や生活、村の様子もさることながら、その一点だけでも感慨深い。
遺跡を堪能し、バスが青森空港へ向うとき、この人たちと別れたくないという気持ちが激しく私を襲った。先般、野球の世界大会が終わった後、イチローは「このメンバーとこれで最後かと思うと、つらい」と言ったというが、その気持ちがよく分かる。
だが、われわれには一つの救いがある。4月16日には<プレマ・セミナー><瞑想くらぶ>に続いて【マリアの会】がある。そこでまた、多くの方と再会できる。今回おいでになれなかった方には、旅の報告も兼ねる。さらに11月には、空前のプログラムで臨む大巡礼の旅もある。
ところで、実は今回、秋田にお住まいの読者の方から一つのプレゼントをいただいた。
「モレ・サンドニ・キュヴェパブ・ジャン・ポール(ヨハネ・パウロ)Ⅱ世」
1920年、前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の生まれ年に植樹され、後に同法王の名を冠することとなったこのワインは、年間の生産量わずかに250ケース、日本にはごく一部しか輸入されない。
【マリアの会】では、通常お酒はお出ししないが、今回は【秋田の聖母】訪問記念として盛大にこれを開けたいと思う。
(クリックで画像拡大)
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奥入瀬の滝
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雪中瞑想!?
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雪中行軍 1
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雪中行軍 2
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ねぶたの里
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お子さまと雪合戦
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ローマ法王 
ヨハネ・パウロⅡ世のワイン
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羽田の夕陽


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