第十回 〜ローマ・アッシジ・メジェゴリエ〜 三日目


昨夜、船に乗り遅れていたらどうなっていたか……。
アンコーナの港でまず宿を探す。あまりいいところはなかっただろう。翌日の船で、おそらく全員分の部屋はとれなかった。すると、メジュゴリエに向う方法はなかった。
おそらくこれが、過去10回の『大いなる生命と心のたび』最大の危機だったが、そんなこととは関係なく、われわれは船内で食事とおしゃべりを楽しみ、大いに盛り上がった。
朝、世界遺産でもある美しい港街、スプリットに着いていた。ヨハネ・パウロ二世が三度訪れたという壮麗な聖ドムニウス教会と、ディオクレティアヌス帝の宮殿跡を見学し、上等の海鮮料理を楽しんだ後、いよいよバスはメジュゴリエへ。
しかしこのとき、レストランの周辺で、数人の男が私たちの行動を逐一カメラに納めていることに、誰も気づいていなかった……。
何も知らない私たちは、午後5時、聖地メジュゴリエに着いた。ここで長年、指導的司祭を務めておられるスベトザール神父との会見が、5時にセットされている。
ところが、待ち構えていた現地のガイドは、「会見は4時からだった」と、信じられないことを言う。われわれは、出発の直前にも、これが5時であることを確かめてきたのだ。
愕然としていると、ガイドが神父に交渉してくれて、これから特別にお会いできることになった。
6年ぶりに会うスベトザール神父は、以前と少しも変わっていなかった。茶目っ気ある表情と、慈愛に満ちた眼差し。自然と人垣ができて、写真撮影会となる。
「私たちは、日本人の勤勉さや仕事に対する緻密さ、仕事の美しさを心から尊敬しています」
そのような話から、神父は始められれた。
「その日本からこれだけの巡礼団を迎えるということは、本当に私たちも嬉しい。日常の利便性や快適性をすべて犠牲にし、周囲の人びとにも協力を仰ぎ、経済的、時間的にも多大な犠牲を払い……そうして皆さんが得ることは、神にハートを明け渡すということ。神の前に、より美しくあるということ。そういう人びととの交わりを深めるということ……」
メジュゴリエにおいて最も霊性の高い神父の一人といわれるスベトザール師と親しく時を過ごした後、ホテルに入り、それから各自、ミサにあずかる。
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船上から見た
スプリットの朝日
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アドリア海の犬
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この先がレストラン
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6年ぶりの再会
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スベトザール神父とその一味
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聖ジェームス教会のミサ
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メジュゴリエの聖母


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