麻薬 2


 ところで、人体に極めて有害で、“立派に”依存性も持つが、法律上、取り締まられていないものもある。「タバコ」はその代表的な例である。
 たとえば、肺ガンで亡くなった人の72%、咽頭ガンで亡くなった人の65%、そして喉頭ガンで亡くなった人の96%は、日々の喫煙が原因であったろうと推測できる合理的な根拠がある。ガンだけではない。呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、精神疾患、産婦人科疾患、代謝疾患、神経疾患、歯科疾患等、ほとんどあらゆる分野の疾患と喫煙との間には、因果関係がある。
  そして何より、タバコを吸う人は、周囲の人に日々、損害を与えている。そのことに気づいた少数の人はタバコをやめようと思う。いや、そうできたらいいと思う人は意外と多いのかもしれない。だが、いったん身についた喫煙の習慣は、もはややめることなどほとんどできない。依存性とはそういうことだ。


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