第九回 〜ルルド モン・サン・ミシェル リジュー〜 六日目


 この世界には、物質よりも精妙な霊的実体がたしかに存在し、それをキリスト教では天使とか、妖精などと呼ぶ。天使のなかでも、大天使は特異な存在だ。特に大天使・聖ミカエルは、悪を駆逐する天の軍団の総帥として各国の守護の天使として崇敬されている。実は日本も、その例外ではない。
 8世紀の初め、フランス司教であった聖オベールの夢枕に大天使・聖ミカエルが降り立ち、ノルマンジーの地に僧院を建てるように命じた。その後、長期にわたる難工事を経て完成した僧院モン・サン・ミシェルは、砂と海の上に浮かび、千年以上にわたって世界のキリスト教徒の憧れる巡礼地となった。後の百年戦争でこの地を包囲したイギリス軍は、どうしてもこれを落とすことができず、敗退の原因となった。
 遠く、モン・サン・ミシェルの偉容がバスから見えたときの感動は、誰にも忘れられないものとなった。ゆっくりと内部を見学した後、めいめいに絵はがきや、有名な「プラーおばさんのクッキー」を買う。
 夜10時過ぎ、下からのライトと上からの月の光に浮き上がるモン・サン・ミシェルに、ふたたび感動、というより驚愕……。
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夜のモン・サン・ミシェル
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祈りを捧げる修道女は
まるで人形のように
美しかった
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モン・サン・ミシェルで
祈る少女


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