第八回 〜聖母マリアの泉(A.Cコース)〜 六日目


 四泊もしたというのに、もうルルドはいい、という気になれない。毎年のことだが、今年もやはりそうだった。そういえば、ルルド滞在中に付近の瀟洒な民家を見たKさん、あんな家を買って、将来は一年のうちの半分をここで過ごすというプランをお持ちとか、お持ちでないとか……。
 専用バスでトゥールーズを経由、そうして空路パリに入った。
 最初に向かったのは、サント・シャペル。かつてルイ9世が、コンスタンティノープルの皇帝から譲り受けたキリストの茨の冠や十字架の木片を納めるため造らせた礼拝堂だという。入った途端、四方からステンドグラスの光の渦……。その光と熱気に当てられた19歳のK君、思わずくらくらと目眩をおこしてKお姉様の肩にもたれか
かった。美男・美女の絵になるシーンに、周囲はしばし呆然……。やっと我に返って介抱する。
 6世紀、パリ司教サン・ジェルマンが造ったサン・ジェルマン・デ・プレ教会でデカルトの墓に御参りした後、一行は愛徳姉妹会へ。1830年、見習い修道女であったカトリーヌ・ラブレーに聖母マリアがご出現になり、さまざまな予言とともに『奇跡のメダイ』を残したご出現の現場には、死後、腐敗をまぬがれた聖女の遺体が今も眠る。
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サント・シャペルの光
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デカルトの墓標
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愛徳姉妹会は、
写真撮影が禁止になりました(^o^;
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パリの夜、懇親会で


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