生き方1


太古のインド医学・アーユルヴェーダが教える根本的な事実の一つに、
『人は、一つの人生で生まれもった最も基本的な体質・気質を変えることは、
 その人生の間にはできない』というものがある。        
人の体質や性格というものは、なかなか変われるものではないにしても、
多少なりとも移り変わっていくようにも見える。
しかしそれは、表層の部分が変わっているのであって、
最も基本的なところは変われるものではないというのである。
それでは、われわれは生まれついたものを変えられずに、
短所は短所として一生苦しんで行かねばならないのか。
そうではないとも、アーユルヴェーダは語る。
短所と見えるものは、用い方によって長所となるし、
長所と見えるものも場合によって短所となる。
そのような表現の仕方、生き方の工夫は誰にもできるというのである。
それにしても、人間性の根幹にもかかわるそうした変化は……


決して簡単ではなさそうだということは、容易に想像できる。
【バガヴァッド・ギーター】のなかで、アルジュナは、
王族として、武人として、
正義のために戦わなければならない義務と必要性を痛切に感じながらも、
しかし従兄弟や、かつての友人や、師を殺したくないという思いに捕らわれ、苦しむ。
それは、このように考え方を変えなさいといわれて簡単に変えられない、なにかだ。
われわれは短い人生の間にも、そうしたことで数多く苦しむ。


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