誕生日4


昨日たまたま観たニュースのなかで、
中国のメダリストのなかには、
年齢を詐称している人がかなりいるのではないかということが報道されていた。
具体的な名前も何人か挙がっていたが、
特に女子のフィギュア・スケートや体操競技の場合、
体重が軽ければ軽いほど有利だ。
一日のすべてを技術の習得に費やせば、
才能のある子なら若くして、というより幼くして、
きわめて難度の高い技を習得するだろう。
しかる後、年齢のほうは協会や国家ぐるみで詐称し、
オリンピックやその他の国際大会に出場させることとなる。
そもそも、中国の農村部などでは、戸籍がはっきりしない人もいるだろうから、
その場合は詐称もなにもあったものではない。
それについては、インドもまた同様である。
かつて浅田真央が、グランプリファイナルで優勝しながら、
オリンピックに出られなかったことがあった。
年齢が、二カ月足りなかったからだ。
それでも彼女は、
「気にしない。もっと力をつけて、
 次のオリンピックでメダルをとる」
と言い、本当にメダルをとってしまった。
ただ、その色が金ではなかったことで、
(4年前に出られていれば……)という思いは残ったかもしれない。
あと二カ月、早く生まれていればとファンは思うかもしれないが……


しかし二カ月早く生まれた“浅田真央”は、
今、われわれが知っている浅田真央とは別人である。
兄弟や姉妹が別人であるように、少なくとも遺伝子としては別だし、
当然、その運命もまた、大いに違ったものになっていたに違いない。


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