腕輪3


サイババがさまざまな物品を物質化するのは、奇跡現象には違いなかろうが、
しかしその後、それ以上の奇跡が続いた。
私が、その腕輪を失くさずに持ち続けたのだ。
まったく余談であるが、例にもれず、我が家においてもさまざまなものがなくなる。
ある日、二台あったはずの電話の子機が一台見当たらなくなった。
あんな大きなものがなくなるはずはない、
いずれ出てくるはずだとたかをくくっていたのだが、
とうとう、それが出てくることはなかった。
いったい、どこでどうなってしまったのか……。
が、とにかく、子機が一台しかない状態で、
すでに一年が経つのである。
パスポートも、マンション内でなくなり、
とうとう出てこなかった。
それは、今年4月のイタリア巡礼旅行の直前であったので、
急遽、パスポートを取り直すしか方法はなかった。
そんな私が、この腕輪を「失くした!」と思った局面も、さまざまにあった。
が、これだけは、その度ごとに出てきたのである。
しかしそんな私にも……


とうとうその日がやってきた。
ついに腕輪を本当に失くする日が、やってきたのである。


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