沖縄の青年 その2


 思わぬことで滞在を延長していた頃、国連の仕事でチベットに行っていたはずのTさんから携帯に電話が入った。帰国して、いま成田にいるという。この人は、すでにあるパーティーの席で私に会ったことがあると言い、沖縄の男性に近いOさんを紹介してくれた。目標の“聖者”までには、二重、三重の障壁があるらしい。
 話の途中で携帯の電池が切れ、紆余曲折を経ながら最終的に分かったことは、目標の男性は今、沖縄にはおらず、富士に行っているという事実であった。一連の、祈りの旅の一環なのだという。
 ともあれ、われわれはまず、知人の社長さんによって米軍基地の中を案内され、ついで“実家”の首里城を見学させていただいた。沖縄サミットの会場になったというホテルに泊めていただき、翌日は帰京する予定でいた。
 ところがこのとき、ふたたび、Oさんから連絡があった。富士から出雲を回っていた男性が、翌日急に沖縄へ帰るというので、会ってくださいというのである。


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