月別アーカイブ: 2004年8月

誇り 1

 インドの旅は、例によって過酷だった。暑さに加えた、強行軍。昔日の旅人は『草を食み、泥水をすすった』というが、それほどでなくとも、実際に今回、私は兎の肉を食み、羊の脳味噌をすすった。  ……といっても、生きた羊の頭を割っ … 続きを読む

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誇り 2

 ところで、インド亜大陸の最南端に、カニヤークマリという場所がある。東にベンガル湾、南にインド洋、西にアラビア海を臨むこの場所はまた、シヴァ神に恋をした乙女が、死ぬまで厳しい修行に身を投じたという伝説の場所でもある。彼女 … 続きを読む

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誇り 3

 期待に胸膨らませ、インド洋を眼下に見降ろす部屋に入って見たもの。それは延々と中継される「中国対ニュージーランド」(だったか……)の女子ホッケーの試合であった。失礼ながら、これを見てインド人は満足するのか? そうではない … 続きを読む

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誇り 4

 今や中国がアメリカと並ぶメダル大国になったのに比べ、中国以上の人口を擁するインドがなぜこれほどオリンピックと縁がないのか。その理由は、ほとんどのインド人にとっての悲願が、通常教育のなかでよい成績を収め、将来経済的に自立 … 続きを読む

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代償 1

 数年前の学会で、ある医学者の講演の座長をした。近代医学発祥の地ギリシャから来た彼の講演演目は、東洋伝承医学アーユルヴェーダだった。別れ際、アテネに住む彼は、オリンピックのときには遊びにおいでとさかんに言ってくれた。オリ … 続きを読む

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代償 2

 今朝の新聞には、「アテネ・オリンピック」という記載があった。オリンピックの予告や予想ではない。明後日の開会式を待たずして、すでに女子サッカーの予選が始まったのだ。  4年に一度、世界中のトップアスリートが夢にまで見る舞 … 続きを読む

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代償 3

 4年間、待ってましたのオリンピックだが、実は今回は生で観戦どころか、テレビで観ることすらできない。日本にいないからだ。よりにもよって、行き先はインドである。  今年の4月に教え始めた瞑想はおかげさまで好評で、何カ月か先 … 続きを読む

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代償 4

 それは、瞑想を始めた皆さんとぼくの幸せがますます大きくなっていくことの、わずかな代償ともいえる。すでにもたらされ、これからさらにもたらされるであろう幸福に比べれば、本当にわずかな犠牲だ。が……しかし……平和な日本にいて … 続きを読む

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聖女 1

 「ファティマに行きましょうか」  そう言ったのは、ポルトの知人フリオだった。  幼い日のある晩、彼は眠れなくてベッドから抜け出し、母親のベッドにもぐり込んだ。そうして目をつぶろうかと思ったとき、信じられないものを見た。 … 続きを読む

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聖女 2

 たしかに聖母マリアだったと思う。だが、自分一人の体験であり、誰にも証明することができない。半世紀近くそう思い続けていた彼は、あるとき、インドの聖者にそのことを問うた。 「あれは聖母だったのでしょうか、それとも幻覚だった … 続きを読む

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