月別アーカイブ: 2003年12月

越年

 師も走るという師走、誰もが限られた時間のなかで、今年最後の仕事を終えようと している。そうしてまた、一年が駆け足で通りすぎる。  日本での仕事を必死の思いで片づけ、ぼくはインドに行く。今の時期、そう暑くは ないが、あの … 続きを読む

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叙勲 3

 そうしてみると、人が本当に心惹かれるのは、やはり人間自身の内面や存在の深奥なんだと、あらためて思う。  正直にいえば、今回も出がけに、こんなことをしていて時間がもったいなくはないのかと、チラと自問したのだ。が、伊藤監督 … 続きを読む

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叙勲 2

 もっと感激したのは、キャンパスを歩いているときだった。高校の化学の教科書や、大学の物理の専門書の著者たち、ノーベル賞候補といわれる人たちが、キャンパスを普通に行き来している。それを見たとき、そして、そういう人たちの講義 … 続きを読む

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叙勲 1

 映画監督の伊藤俊也さんが紫綬褒章を受けられたので、お祝いの席に行ってきた。 『奇跡の人』『誘拐報道』『白蛇抄』『プライド ──運命の瞬間──』など、人間性の哀しみをえぐり出す話題作を次々と世に問われてきた方である。   … 続きを読む

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古巣 2

 懐かしさのあまり、キャンパス内にある生協の本屋さんに行った。建物を入って、 階段を昇っていくときの独特の香りや風景が、昔と少しも変わっていない。大学にいたころ、何百回も昇り降りした階段は、今でも目をつぶって昇れそうだっ … 続きを読む

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古巣 1

 しばらく……といってもほとんど一年間、エッセーをお休みした。その間に書いたこともあったのだが、中途半端な感じがして掲載しなかった。変化はいつも突然で、驚きに満ち、簡単には書けなかった。  ここ数カ月の間に本格的に再開し … 続きを読む

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