礎石 2


シモンという名のこの男は、ガリラヤ湖畔に住む漁師であった。ある日、一晩中漁をして魚一匹獲れなかった彼は、舟をおり、網を洗っていた。そこにイエスが通りかかり、乗り込むと、岸を少し離れたところから教えを述べ伝えた。
それが終わるとイエスは、舟をもっと沖に出し、網を下ろすようにとシモンに言った。だが、シモンは気乗りしなかった。彼らは一晩中働いて、何も獲れなかった。その上、もう網も洗ったのだ。
しかしイエスの言葉には、柔らかでいて有無を言わせぬものがあったのだろうか、ともかくもシモンは網を海に入れ、すぐに引き上げようとした。が、そのとき、シモンの手に電流が走った。大量の魚で、網は破れそうだった。
シモンはすぐさま、他の舟に応援を頼むしかなかった。魚は二艘の舟にいっぱいとなり、なお、舟は沈みそうだった。
このときのシモンの言葉を、4人の福音史家のうち、ルカだけが克明に伝えている。
シモンは、イエスに礼を述べたわけではない。感心してみせたわけでもない。イエスの足元にひれ伏すや、「私は罪人です。どうか、私から離れてください!」と叫んだのである。


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