旅日記27


12/ 6(8日目)その5
ちょうどお昼の12時のミサが始まったので、
多くの方はそのままミサに与られた。
午後の時間、自由にパリを闊歩していただくため、
全員の方に、地下鉄の切符を4枚ずつお渡しした。
しかしその後、私には私的な務めが残っていた。
日本で頼まれた“買い物”である。
お昼はパリ三越横の評判の中華料理屋に行って食べてみたが、
美味しいとは思わなかった。
私は中学の寮生活以来、
だいたい何でも美味しいと思っていただくほうなので、
フランス人の味覚が貧相だという疑いがさらに濃厚となった。
それから、パリ三越、ラファイエット松阪屋、プランタン伊勢丹、
その他有名ブランド店街のすべてを無視し、
とある教会に入った。
今回の旅行に参加された皆さんと、来られなかった皆さん、
ついでに自分のためにもロウソクに灯をともし、
お祈りの文言を紙に書いて嘆願のバスケットに入れ、
買い物に向おうとした。
が、平日の昼間なのに妙に人が集まってくる。
午後1時45分、聖堂を出る直前にオルガンの音が聞こえ、ミサが始まった。
人にはそれぞれの都合がある。
ミサが始まっても、都合の悪い人は聖堂を出ればよいのである。
が、私は出ることができなかった。
旅をふり返って……


あと5分、教会に着くのが早かったら、
私はミサが始まるのを知らずに聖堂を出ていたに違いありません。
そうならなくてよかったと今も思うような、
素朴で、美しいミサでした。


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