旅日記11


12/ 3(5日目)その1
この日最初の目的地コンクは、
聖母出現の地ル・ピュイからサンティアゴ・デ・コンポステーラに至る
巡礼の道のなかでももっとも重要な地の一つであり、
かつ、もっとも美しい村といわれる。
人口わずか300人余。
この村に千年の歴史を持つサント・フォワ教会では、
まず入り口上部の「タンパン」の美しさを堪能する。
『天国と地獄』、および神の前にひれ伏す聖女フォワは、
無名の天才彫刻家が彫ったロマネスク芸術の傑作といわれる。
頭を上に向けてその解説をしていたとき、
ちょうど霧のような雨が降ってきたのだが、
こうして雨に洗われ、風に吹かれて千年を経てなお、
タンパンに使われた淡いブルーが今も残っているのに驚いてしまう。
壮麗な聖堂で祈り、
何人かの方が教会のオルガンを弾かせていただいた後、
黄金の聖女像を拝礼。
伝承では、西暦303年、
聖女フォワは異教の礼拝を拒んだかどで鞭打たれ、
火あぶりにされて殉教した。
12歳の若さだった。
その聖女の頭蓋骨の部分が、この像に納められている。
旅をふり返って……


実は、この聖女の遺骨、
この地の修道士が聖女の故郷まではるばる出かけ、
人びとと暮らし、10年の歳月をかけて信用を得て、
ついに聖遺物の管理人の地位につくや否や盗んできたという、
いわくつきのもの。
それでも聖女は、
その恩寵を十二分にふりまいて数々の奇跡を行なってきたといいますから、
やはり私たちには、
聖者や聖女の意識状態は分かりそうにありません。
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サント・フォア教会のタンパン
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黄金の聖女フォワ
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コンクの村の風景


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