宗研25


『祈りの言葉』の冒頭にも書いたが、
マザー・テレサをはじめとするキリスト者たちの活動を、
日本人はこの上なく愛する民族だ。
マザー・テレサについて書かれた本や写真集はたくさん出版され、
旅行代理店はツアーを組織して、
カルカッタの修道院にボランティアに出かける。
そうして、充実した、生き生きした顔をして帰ってくるのだ。
しかしだからといって、帰国した彼や彼女らがカトリックに改宗するかといえば、
そうではない。
日本人のなかのキリスト教徒の割合は、約1%で、
しかもそのうち、ローマ・カトリックは約3割でしかない。
日本人がキリスト教徒たちの活動を深く尊敬していることを考えると、
この割合がもう長く変化しない事実を説明するには……


キリスト教の教える「救い」を、
通常の日本人が受け入れることができるかどうかを考える他ない。
『神は、その独り子をお与えになった……』という、
この有名な文言が示す救いについて聞いたとき、
日本人の多くは有り難いことだとは思うかもしれないが、
そうした限定的な世界観にすっかり立つこともできない。
だからこそ、マザーのところにツアーで行っても、
人びとはカトリックには改宗しない。
では、キリスト教の根幹を成すともいわれる、
この【ヨハネによる福音書】第3章の有名な文言は、
絵空事なのか。
われわれはそれを、どう解釈したらいいのか。
神と人、運命と自由意志、宗教の普遍性など、
この世のあらゆる問題が絡んでくるこの話が、
今度の<プレマ・セミナー>のメインとなる。


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