蓄積したピッタ


 年末である。一年のうちでもっとも華やぐ季節……のはずなのに、今年はそういうふうでもない。先日の恐ろしいエッセーに書いたように、熱を出してしまったからに他ならない。
 景気の悪い話で恐縮だが、もともと僕は、秋口になるとひと月ほど微熱が続くという性癖があった。どこでどう医学的に調べても、原因は見当たらない。長い間わけが分からなかったが、アーユルヴェーダを知るようになってからその理由が少し分かったような気がした。アーユルヴェーダの古典には、こう書かれている。
「夏の間に蓄積したピッタが、秋に残る日差しで悪化する。新たに増加するヴァータが、ピッタをさらに刺激する」
 本当か、と思うが、僕については本当なのだ。
 ところが、それが今年はなかった。うまく秋を乗り切った……と一人で思っていたのだが、蓄積したピッタは少しだけ時期をずらして、やはり悪化したのであった。


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