震撼2


「この、アヴィラという街はどんな街なの??」
アヴィラは、大聖テレジアで知られるが、もう一人、十字架の聖ヨハネという聖者が同時期にいた。意識の進化にともなって肉体の状態も進化した二人は、会話を交わしながら、体が宙に浮いていったなどということもあった。
「このような大聖者が二人、同じ時期、同じ街に住んでいたというのは、それ自体、一つの奇跡みたいなものです」
実際、この二人のおかげで、中世のカトリック教会や修道会は再生した。だが、彼らのような高徳の者が出れば、逆に、教会の高位聖職者や修道会首脳らの堕落ぶりが際立ってしまい、彼らはそのことに“震撼”したのだった。
自らの政治改革と重ね合わされたのか、そんな話を鳩山さんは興味深そうに聞いていたが、一言、言われた。
「北海道にも、“アヴィラ”があるんですよ……」
なんでも最近の市町村合併の結果、北海道に安平(あびら)町という新しい街が生まれたのだという。安平はアイヌ語から来ているらしく、当然のことながら、アヴィラのことなど誰も知らない。
「しかし、それだけの聖地と偶然とはいえ名前が同じ。可能なら人びとが交流するといいな……」
とりあえず親善旅行などに行き来するとかができれば面白い、というのである。


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