先輩 5


宴が中盤にさしかかると、皆さんは品よく名刺交換を始められた。なるほどそうか、こういうタイミングで名刺交換をするのか……などと感心していると、某企業の偉い方が近づいてきて、私にも名刺を差し出される。新郎に私の本を最初に勧めたのはその方とのことだった。
本など書いていると、どこでどんな方に読まれているか、見当もつかない。
もともと拡大された意識の持ち主であった新郎は、それを機に東洋の科学や哲学の探究を深め、恋人を伴ってある日瞑想を習いにこられた。そうして後、毎日欠かさず瞑想を続けているという。多忙な日々であろうに、まことに頭が下がる。
だが、常々言っているように、忙しい人ほど瞑想の効果が顕著に現れるというのは事実なので、いよいよこれを楽しみ、活用していただければ、私も日本の経済に多少なりとも貢献したことになるかもしれない。
ちなみに、今回結婚された美しいお相手は、そのとき一緒に来られていた方で、結婚の条件の一つは「毎日瞑想すること!」だったと聞いて驚愕した。


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