第十回 〜ローマ・アッシジ・メジェゴリエ〜 一日目


午前4時。ローマのホテルで爽やかに目が覚めた。4時とはいえ、日本はもう昼だ。
それにしても、昨日の飛行機は退屈しなかった。お隣になったMさんは都内で手広く事業をしておられるが、われわれには想像もつかない広い知識を持っておられる。人間性の本質に迫るさまざまな話をうかがううち、ローマの夕陽が目の前に見えてきた。
今回のツアー最初の訪問地は、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂。通常の見学に加え、どうしてもということで、先般亡くなられたローマ法王ヨハネ・パウロ二世の墓を目指す。すでにこのツアーで、ヨハネ・パウロ二世の謁見に一度、二度と与っているからだ。
お墓に詣でるためには、一旦聖堂を出、それから列に並ばなければならない。それにしてもこの列、ガイドさんによれば、当初は4時間待ちだったという。
皆さん、ここで早くも感慨にふける。とりわけ、以前謁見に与った皆さんは。
続いて、アッシジの聖フランシスコが訪れたかつての法王庁サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノを巡礼。バスの中から、聖フランシスコの銅像が見えると、思わず「キャ〜〜」と歓声が湧く。今までになく、今回の巡礼団は若いのか……。
キリストを磔にした釘と木、聖トマスの指の骨が残る聖十字架教会は、前回、改装中だったため、再訪。敬虔なカトリック信者のガイドさんが、的確な説明をしてくれた。これまで分からなかった疑問点も氷解。それにしても、当時の釘や木、骨が未だに残っているとは……。
そして、この日のメインの一つは、『絶えざる御助けの聖マリア』。前回、私たちは21世紀の元旦にここを訪れた。あのとき、願いをかなえてもらった人が何人かいて、お礼参りということになる。かく言う私もその一人。
今回、私は約30人の方から手紙を預かった。86通の手紙を預かって来られた方もいる。
それなのに、係の男性は、一般席脇の小さな手紙箱に一通ずつ入れるようにという。大きな手紙の束を見せ、『絶えざる御助けの聖マリア』様裏すぐ下の箱に直接入れさせてくれと再度交渉したところ、「では俺が入れてやろう」と係の男。
「いえいえ、私が行きます」と、私がすべてのお手紙を直接、箱に入れてきた。大きな務めを一つ果たし終えたような気になる。
ローマを後にして3時間。夕陽に染まるウンブリア平原の向こうに、美しい古都アッシジが姿を現す。
(クリックで画像拡大)
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ローマの夕陽
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故ヨハネパウロ二世の眠る墓
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絶えざる御助けの聖母
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聖母への嘆願書入れ
(上がイコン裏側)
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祈り
(サン ジョバンニ イン ラテラーノ)


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