聖者の世界 7


 唯一の観光の日。ポンペイとナポリに行く。
 かつて、大噴火をしてポンペイの街を覆い尽くしたヴェスビオス火山。一瞬にして灰に呑まれ、そのまま死んだ人の遺体が陳列されている。実物であるという白骨がなまなましい。
 これから、世界がそのようなことにならないという保証はどこにもない。むしろ、天変地異は近づいているというふうにも思える。世界中の異常気象は、その前触れに過ぎないような気がするのだが……。
 そうは言っても、ナポリはカメオの街。クリントン夫人御用達のジョバンニ・アパに入パに入ると、職人さんがカメオを彫る芸術的な姿を見学できる。そうしてつい、僕はカメオを買ってしまうのだ。


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