勝負 9


今回の大山選手の相手メルヴィン・マヌーフは、オランダの生んだ格闘家である。
ヨーロッパの大国に囲まれたオランダは、格闘技が盛んで、群雄割拠する格闘家の多くが熱望しているのが日本のK1やPRIDEのリングに立つことだという。われわれ自身は気づかないが、K1、PRIDEは、欧米においても格闘技の“本場”としての地位を確立しているといわれる。
ところで、今回のマヌーフ選手の通訳を務めたのは、驚くべきことに、なんとMさんがお世話しているオランダ人留学生B君であった。
B君は、私も個人的によく知っている。頭脳明晰、性格も温厚な、日本学を専攻する大学院生である。きっと彼が、初来日した母国人の緊張をうまく解きほぐしてやったに違いない。
悔しいが、もしかしたらその程度のことが、勝敗を分けたのかもしれない。
B君によれば、試合が終わり、花道から帰って来た選手が突然、本音を吐露することがよくあるという。マヌーフ選手も例外ではなく、次のように言った。
「オーヤマと自分と、本当はどちらが強いのか、最後まで戦いたかった」


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