復活 3


ところで、これに先立つ3月19日、第14期の瞑想講座を一人の青年が受講していた。限りなく優しい風貌をした彼は、名を大山利幸君という。
元柔道チャンピオン。全日本サンボ選手権を4度にわたって制するなど、輝かしい経歴を経てプロの格闘家となった。アメリカでのプロ転向初戦、一ラウンド17秒、彼は自分より30キロも重い相手を右の一撃で倒し、デビューを飾った。リングネームは大山峻護。業界では「大和魂の継承者」と呼ばれ、知られている。
しかし日本での初戦では、不敗の王者シウバの猛ラッシュの前に敗れ、その後には右目の網膜剥離を経験した。手術後、長期の休養を余儀なくされたが、グレイシー柔術のヘンゾ・グレイシーを敗って復帰を遂げる。
次の戦いで、復讐を誓うグレイシー弟と対戦したとき、右腕を決められたものの、彼は「ギブアップ」しなかった。彼には自ら諦めるという選択肢がないのだ。結果、右腕関節を脱臼骨折。その後、今度は左目を網膜剥離し、今回の試合が、まさに復活をかけた一戦だった。


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