聖夜


聖なる夜にヒマラヤの中腹・ポカラから届いたメールです。
「あなた方に平安!」キリストの挨拶のことばでした
世界の平和のため不安定なネパールの平和のためにも
そして皆さまの心の平安のために
平和の主キリストの降誕を皆さまとご一緒に祝いたいと思います
あわせてまもなく迎える2003年がご多幸な年でありますようお祈りいたします
大木 神父
それへの返信。
 先生、お元気でお過ごしですか?
 今頃、ポカラではちょうどクリスマスミサの最中でしょうか。先生の担任のクラスだった中二の年、楽しみで楽しみで仕方のなかったクリスマスミサの後、みんなで寮に泊まったときのことを思い出します。
 あのとき、寮の食堂で父母会の方の作られたうどん(食べ放題)をいただき、娯楽室で先生と一緒に「レオナルド・ダ・ビンチの生涯」を観ました。その記憶が鮮烈で、自分の洗礼式はどうしても聖夜に、と思っていましたが、先生はそれを12月3日と決め、次いで2日の放課後に変更されたのでした。そのため、生徒も先生方もみな期末試験の準備で忙しく、せわしなかったのを覚えています。
 僕が選んだ洗礼名(トマス・アクィナス)が先生のものと同じだということを、そのときは知りませんでした。もう、四半世紀も昔のことになります。
 昨年、読者の皆さんと巡礼の旅に出たとき、フランスのトゥールーズで、僕は何も知らずにドミニコ会最古の修道院に行きました。ところが、そこにあったのです。キリスト教神学最大の巨人、聖トマス・アクィナスの柩が。そこでロウソクを3本立て、お祈りしました。僕と、先生と、僕の本を読んで先生を支援してくださる方たち全員の分でした。
 ともあれ、よい年をお迎えくださいますよう、この聖なる夜に東京からお祈りいたします。
 2002・12・24   青山 圭秀


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