山形への旅 2


 最近、一通の手紙が届いた。「この夏、ルルドに手紙を持って行っていただきましたが、願いをかなえていただきましたので、御礼申し上げます」というものだった。
 その内容には、少なからず驚かされた。
 手紙には、「今おつきあいしている人が自分の生涯の伴侶なのかどうか、はっきり分かるようにお示しください」と書いたのだという。そして、その場合にはきっと、自分の生年月日のナンバーの車を目撃することになるだろうと、なぜか彼は感じていた。
 彼が生まれたのは37年1月1日。四桁の数字だから、3711が出る確率はおおむね一万分の一である。ちなみに僕なら、たとえば年を省いて0212だろうが、そんなナンバーの車を見た覚えは一度もない。
 願いをかけた彼自身、バックナンバーを注意して見ていることはしていなかった。実際、僕がいつその手紙をマリア様に出すかも知らなかったはずである。……が、そうして何気なくしていたところ、彼はそのナンバーの車を見た。


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