第四回 〜パリ・ヌヴェール・ローマ・アッシジ〜 二日目


 この日、最初に訪れるのは、パリ・ノートルダム寺院。聖母マリアに捧げられた大伽藍の壮麗さに、誰もが溜め息。左右に立ち並ぶ聖人聖女らの彫像を見ながら、一番奥にあった二面の大ステンドグラスにふたたび溜め息。思わず、それを模したセロハン入りのカードを買い込む。
 下江さんの案内で、寺院横の両替屋でフランを買う。日本でフランを買って来た人は、レートを見て愕然。米ドル以外の通貨は、現地で買うほうが有利であるとは、私もまったく知らなかった。
 続いて、不思議のメダイを聖母マリアから授かったカトリーヌ・ラブレーを訪ねるのが、この日のメイン。パリはセーヌ川河畔のデパート、モン・マルシェ近くに愛徳姉妹会はある。
 中に入ると、ちょうどミサの最中だった。もしこのミサが終わらなければ、われわれはカトリーヌの遺体を見ることができない。一瞬、不安が心を過るが、ミサは十分で終了。他の教会と違い、ミサ後もほとんどの人が聖堂内に残っているが、何とかカトリーヌ・ラブレーとルイーズ・ド・マリヤックのご遺体、そして、愛徳姉妹会を創始した聖ヴァンサン・ド・ポールの心臓を収めた聖櫃の前までたどり着く。参加者の何人かは、ただならぬ神聖さを感じ取り、はやくも涙……。
 教会の売店には、大小さまざまな「奇跡のメダイ」がおいてある。友人、知人に頼まれていると、多めに購入する人もいるが、すべて教会の収入になるので安心。
 愛徳姉妹会から歩いて数分のところに、パリ・ミッション会がある。数世紀にわたって世界中にキリスト教を広め、多くの殉教者を出してきたこの会の司祭が、30年前、今回ご参加のKさんに日本で洗礼を授けた。全員で表敬訪問するが、もうお一人の参加者の方も、実はこの会の司祭から洗礼を受けていることが分かった。
 かつてここで生活を共にした二人の司祭は日本に渡り、別々の場所、別々の時代に彼らから洗礼を授かった二人の女性が、今、一緒にその修道院を訪れ、祈りを捧げている……。
(クリックで画像拡大)
001230-1

愛徳姉妹会に眠る
聖ルイーズ・ド・マリヤックのご遺体
001230-2

パリ・ミッション会に
展示されたマリア観音


カテゴリー: 大いなる生命とこころの旅 パーマリンク

コメントを残す